便失禁は専門医で適切な治療を

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「どこで診てもらえばいいかわからない」「病院に行ったら歳のせいと言われた」……便失禁で悩んでいる人は多いにも関わらず、あまり理解が進んでいないようです。指扇病院の味村俊樹先生に伺いました。

患者数500万人超加齢や分娩で発症

便失禁は病名ではなく、肛門から自分の意思に反して勝手に便が出てしまうという症状のことです。日本では20〜65歳で4%、65歳以上で7・5%の人が便失禁であり、患者数は500万人以上と推定されています。どの年代も男女差はありませんが、実際に受診するのは女性が多く、全体の7割を占めています。

便失禁が起こる原因は様々ですが、主に、加齢による内・外肛門括約筋(肛門を締めている筋肉)の機能低下や、分娩時の肛門の損傷が挙げられます。症状には、漏出性便失禁と切迫性便失禁があり、漏出性は内肛門括約筋の障害で起こることが多く、便意を感じず漏れてしまいます。切迫性は外肛門括約筋の障害で起こることが多く、便意を感じますがトイレまで我慢ができずに漏れてしまいます。また、漏出性はパットなどでカバーできますが、切迫性は下着はもちろん、服まで汚れるくらい大量に漏れてしまう場合が多いようです。

治療効果抜群の仙骨神経刺激療法

治療法には、保存的療法(内科的療法)と外科的療法(手術)があります。保存的療法は、食事・生活・排便習慣の指導や、薬物療法、バイオフィードバック、アナルプラグ、逆行性洗腸法などが挙げられます。保存的療法で改善できなかった場合は、外科的療法を取ります。外科的療法もいろいろありますが、特に神経刺激装置を仙骨神経に埋め込む仙骨神経刺激療法は、2014年4月に保険適用になったことで注目されました。これまで手術を受けた人たちの8割に症状の改善がみられ、そのうち2割は完治しています。それだけ仙骨神経刺激療法は、画期的で効果が高い治療法であるといえます。体への負担が少ない手術である点も患者さんにとってはうれしいことでしょう。

便失禁は特別な症状ではありません。便失禁があっても受診しない人がとても多いのですが、実際に生活の質を大きく損なっているわけですから、頭痛や腹痛と同じように病院へ行った方がいいのです。国内ではまだきちんと診てくれる医療機関は少ないのが現状ですが、ぜひ専門医を受診されることをおすすめします。

▲埼玉県内では、便失禁の検査・治療ができる唯一の病院である、医療法人三慶会 指扇病院埼玉県さいたま市西区宝来1295-1

お話をお伺いした先生

医療法人三慶会 指扇病院
副院長・排便機能センター長

味村 俊樹先生

医療法人三慶会 指扇病院

埼玉県さいたま市西区宝来1295-1

TEL:

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